[review]
偉大なるボンクラ、トビー・フーパー監督の出世作ってーかこれ以降はさっぱりな気もするけどそれは言わない約束だよお父さん。でも『スペースバンパイア』は好き。
ジェイソンがチェーンソーを振り回して襲ってくるという誤解したイメージを招いた直接のネタ元でもある。実際にチェーンソーを主武器にした殺人鬼はこちらのレザーフェイス君で、作品自体も『悪魔のいけにえ』のほうが先発なのだ。(13金シリーズ初作は1980年度作品)
本作『悪魔のいけにえ』は、米国ウィスコンシン州に実在した殺人鬼エド・ゲインの事件を下敷きにした疑似スナッフ風ムービー。旅行中の不運な若者たちがチェーンソーを持った皮覆面(レザーフェイス)の大男に出くわして犬のように豚のように牛のように理由も意味もなく惨殺されまくった末にただ一人残ったヒロインが殺人鬼(とその家族)から執拗に追いかけ回され血みどろになっていくという、それだけを80分かけて描き尽くしたノンストーリー&フルショックな異色ホラーになっている。
後半、拉致されたヒロインが命の危機にキレて恐怖のあまり絶叫をあげまくるシーンは暗黒映画史に残る名場面といえよう。あんたが一番コワいよマリリン・バーンズ。
映画が映画として成り立つストーリーテリングをギリギリまでそぎ落とすことで、その即物性がかえって逆説的な演出になっているのがとにかく凄まじい。論理的整合性などはなから度外視して「殺人鬼との鬼ごっこ」というひとつのシチュエーションに執着しまくって、それが終わったとたん「余韻なんて糞だ」といわんばかりの容赦なさで物語をぶつ切りにするラストのシメ方が一番ゾクっとした。
[追記]
なお、本作のリメイク版が『テキサス・チェーンソー』の邦題で2004年3月に公開されました。
監督は『パールハーバー』『アルマゲドン』『バッドボーイズ2BAD』のマイケル・ベイ。
いろいろ瑕疵はあったものの、当初の不安からすれば健闘していたといえる再構築でした。
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